Organic Q&A
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おいしいご飯の炊き方
キーワード米・雑穀
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      ご飯をおいしく炊くために

       自動炊飯器なら、スイッチ一つで、たしかにごはんはできあがってはいますが、やはり下ごしらえのポイントをきめて炊いたものは味わいのよいものができあがります。
       自動炊飯器で炊く場合も、厚手鍋で炊く場合も、あるいは土鍋やホーロー鍋、はんごう炊飯の場合など、どんな器具を使っても、いかなる燃料でも、下準備のポイント、火加減、蒸らし方は共通のコツで、おいしいご飯つくりの決め手になります。

      ■おいしいご飯の炊き方

      【保管方法】
      お米は精米して日数がたつと、どうしても味が落ちてきます。大量にまとめ買いしないで、半月分くらいずつのほうがおいしい。
      買ってきたお米は容器に入れ、湿気の少ない冷暗所に置きます。それを全部使い切ったら新しい米を足すようにします。まだ中身があるのに買い足したり、大量に買いこんで、いつまでもライスボックスに入れておくのは禁物です。
      *米の容器はひと月に1回くらいは掃除をして、中を乾かすようにしましょう。

      【お米は正確に計りましょう】
      目分量では水加減がちがってきます。計量カップを安定させておいて、計りましょう。計量カップをカタカタと動かしたりすると、米はどんどん沈みこんで量が多く入ってしまい正確にはなりません。
      カップに山盛りにもり上がった米を、手のひらか箸ですっと水平に動かして、余分の米をおとして計るのが正しい計り方です。


      【米は手早く洗いましょう】
      ・まずいご飯になるのは最初の1回目の水洗いに時間をかけすぎたときです。
      1回目は、たっぷりの水を加えて手早くかき混ぜ、さっと水をすてて、ヌカやゴミを流すのがポイントです(10秒以内)。
      もたもたしていると水に溶けたヌカのにおいが米に移ってしまい、ご飯を保存しておいたときに発生するいやなにおいや、ご飯が変色する原因となります。
      ・水をとりかえながら2〜3回かき混ぜて洗い、白い水がなくなるまでくり返します。
       米を研ぐときは、あまり力を入れすぎないようにし、研ぎ終えたら差し水をして軽くまぜ、研ぎ水を捨てる作業を手早く行います。

      *ナチュラルウォーターを使ってご飯を炊くと、よりおいしくなるといわれていますが、その場合は、洗米の段階からナチュラルウォーターを使用してください。米は最初の浸漬でかなりの水を吸うからです。浄水器の水を使用するときも同様に洗米時から使ってください。

      【ザルにあげて、水切りを】
       米を洗い終わったら、一度ザルにあげます。竹か金網ザルが水切れがよく、使いやすいです。
      30分〜1時間くらいそのままにしておいて、炊飯器に入れて水加減すると、適度な水を吸収した米なのでべとつきません。洗ってすぐ炊くと水の吸収が悪く芯ができたりします。
      *玄米はザルにあげず、すぐ水につけます。

      【水加減も正確に】
      やわらかめの好きな人、固めの好きな人、炊きこみごはん、炒めごはん、混ぜご飯の場合によっても水量は違ってきますが、ふつうの水加減は米の1割増しから2割増しです。水分の多い新米のときはそれよりやや少なめに、乾燥した古米なら多めにします。
      *炊飯器の場合も目盛りどおりに一度炊いてみて、水量は決めましょう。

      【炊き方】
      “はじめチョロチョロなかパッパ、ぶつぶついったら火を引いて赤子泣いてもフタ取るな”昔から言い伝えられてきた、ごはん炊きの極意。最初は弱火、湯気が立ちはじめたら強火にして一気に炊き上げる。水気が少なくなってぶつぶつと音がしてきたらもう一度弱火にする。蒸らす時間も大切で、その間は赤ん坊がおなかがすいたと泣いても絶対に途中でフタを開けてはいけないという意味です。

      現在は、炊飯器が主流で、ボタン操作で簡単にご飯が炊けるため、かまど炊きの場合のような火加減は必要ありませんが…。
      炊飯器を使って炊く場合、追い炊きをするとよいでしょう。スイッチが切れて5分くらい後で、再びスイッチを入れると余分の水分がとんでおいしく蒸らせます。

      【おいしいご飯は蒸らし方も大切】
      火を止めた直後はまだご飯は完全に炊きあがっていません。蒸らすことによって、米の芯まで煮えて表面の水分も吸収され、ふっくらしたごはんができます。
      *火を消したら余熱を利用して、10〜15分そのままにしておきます。
      *蒸らし加減が早すぎると、ビショビショの水っぽいご飯になりますし、蒸らしすぎると、米粒がふやけたようになり、ふっくらさを失ったご飯になります。
      *蒸らす段階では絶対にフタを取らないようにします。フタをとると中の蒸気が逃げてしまってまずいご飯になります。

      【蒸らし終わったあとは…】
      10〜15分蒸らし終わったら、必ず木杓子で底のほうから返して混ぜ合わせます。
      ご飯に空気があたって余分の水分がとばされ、ぱらりとなります。さらに、フタの下にふきんをあてて湯気を吸い取るようにます。
      これを混ぜないで炊き上がったままにしておくと水蒸気の逃げ場がなくて水滴となって、ごはんを水っぽくしたりご飯つぶがつぶれたり、固まったりしてしまいます。
      *蒸らしたご飯は木製のおひつに移すのが一番おいしく、またご飯の余分の水分を適度に吸収してくれます。

      【保存法】
      ご飯をおいしく保存するために炊いたご飯をかき混ぜた後、すぐおひつに移しふきんをかぶせます。こうすると余分な水分がふきんに吸収され、べとつかずシャキッとした状態になります。

      *電子ジャーは、温かいごはんがいつでも食べられる便利なものですが、万能ではありません。長時間ジャーの中にご飯を入れっぱなしにしておくと、つやがなくなったり色が黄ばんでしまうことがあります。これは、ご飯が長時間の加熱によって酸化してしまうためです。
      *冷凍保存の場合は、炊きたてのごはんを空気にさらして完全に冷ましてから、100g(茶わんに軽く1杯)を軽くボール状に丸めて冷凍ラップに包んで冷凍庫で急速冷凍します。このとき、おにぎりみたいに固くしないこと。必要に応じて温めれば、おいしく食べられます。


      参考図書:「健康食〜御飯」(本間伸夫・小室美智世著/農文協)「ごはん101人」(時事通信社)

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