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油の作り方には、圧搾法と抽出法があります。
圧搾法は、原料のなたねを圧搾機で搾り、その際にとれる一番搾り原油をろ過して作ります。ポラン広場で扱っている油は圧搾法によるものです。
これに対し、市販のほどんどの油は抽出法によるもので、ノルマルヘキサンなどの化学薬品を使い、その化学反応によって油を抽出する方法です。抽出時にタンパク質をはじめとする不純物が混入し、酸化による油の変質が起こりやすいので、それを防ぐために、製品段階で、消泡剤(シリコン樹脂)、酸化防止剤などが添加されています。
圧搾法の場合は、製造段階での加熱や添加物混入を行っていません。
市販の無味・無臭・無色の油に慣れてきた世代には、なたね油の色(黄金色)や匂いにはかなり抵抗があるようですが、なたね油本来の色・香り・味を知っていただきたいと思います。
また、多くの人は揚げ物用としてではなく冷温のまま使うように高度精製されたサラダ油を、ヘルシーなイメージやCMにまどわされて揚げ物に使用していることが多いようですが、市販の紅花油などのリノール酸の多いサラダ油ほど酸化は早く、揚げ物には向いていないことも知っておいてください。
なたね油サラダ用は、天然の木炭を使用して精製していますが、市販のサラダ油は薬品を使用して脱色・脱臭が行われています。
■鹿北製油の食用油
鹿北製油(鹿児島伊佐郡)では、菜種やごまなどすべての原料は契約農家によって栽培されたものを使っています。ごまの連作障害を避けるために、えごま、あわ、きび、ひえも栽培しています。現社長の和田久輝さんは、創業者の父、輝さんの後を継ぎ、自らの意志で200年の伝統「石臼を使って圧搾した玉じめしぼりの油」を復元しました。そして、エルシン酸の少ない菜種油の新品種を育てたり、自然農法の栽培技術を指導しながら、契約農家を増やしていきました。
市販の油は、薬品で油を抽出する方法をとっているものがほとんどです。むだなく油がとれて経済効率のよいこの方法に対し、鹿北製油は、石臼でじっくり時間をかえて絞る圧搾法を守り続けています。消費者が安心して口にすることのできる、おいしい・本物の油を届けたい、これが鹿北製油の願いです。
白ごま油…白ごまを薪で釜煎りし、すりつぶしてから蒸気で蒸し、石臼で油をしぼり、和紙でろ過したものです。ごまの豊かな香りと成分が生きている逸品です。
*シルクロードを経て2000年前に仏教と共に日本に伝来したごまは、祖先の知恵で改良され、世界で最も質が良いということです。
ごま油は、アミノ酸カルシウムなど栄養豊富です。昔、中国では純正で良質のごま油は香油と呼ばれていました。
なたね油…低エルシン酸菜種を原料とし、天日で乾燥させ、釜煎りして圧搾法で絞り、高温過熱、薬品処理せず、一番絞りだけを静置沈殿させ、和紙でろ過しました。炒めものや天ぷらにお使いください。天然の香りが甘みを増し、黄金色にカラッと揚がります。
*昔「黄金の花」と呼ばれていました。その油には天然の鮮やかな黄金色と香ばしさがあります。その特有の色と香りが、人によっては相当クセの強い油のように感じることもあるようですが…。ごま油と7:3で割ると天ぷらがさらにおいしくなります。
なたねサラダ油…低エルシン酸菜種を原料とし、天日で乾燥させ、釜煎りして圧搾法で絞り、高温加熱、薬品処理せず木炭で脱臭し、しぼりたての油に仕上げています。
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