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■大豆の国内自給率
大豆の国内自給率は3%。ほとんどが輸入によってまかなわれ、国内生産はほんとうにわずかです。その輸入農産物も、遺伝子組み換え作物の比率が増加しており、大豆やなたね・とうもろこしなど、日本の自給率の極端に少ない作物が遺伝子組み換え作物にとって替わっていることをみても〈食の自給〉がいかに大切かはいうまでもありません。
大豆は味噌や醤油、豆腐・納豆など日本の伝統的な食物加工に不可欠の作物です。その原料のほとんどを輸入に頼っていること自体、もう一度考えてみなければならないことだと思います。
■大豆はすごい!
大豆は、昔から「畑の肉」といわれているように、良質のタンパク質です。大豆タンパクには血液中のコレステロールを下げたり、血圧を下げたりする働きがあります。大豆の脂肪は不飽和脂肪酸でリノール酸とαリノレン酸のバランスが良く、特にαリノレン酸については魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸に体内で変化しますから、心筋梗塞、脳梗塞の予防になるといわれています。そして大豆の糖質には腸内のビフィズス菌を増やすオリゴ糖が多く含まれていますから、悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌など)の増殖を抑え、免疫力の低下やガン、肝臓病、動脈硬化などの予防が期待できます。この他、食物繊維が豊富ですから、コレステロール低下作用や血糖値を急激に上がるのを防いだり、便通をよくして大腸ガン予防も期待できます。
納豆はさらに付加価値がついて、大豆よりビタミンB2・B12が増加するほか、ビタミンKの働きにより骨粗鬆症を防いでくれます。豆腐は消化吸収が良く、カルシウムも期待できます。
このように成人病を予防する効果が高い大豆や大豆製品ですが、摂取されている量はいまひとつという感があります。食事の欧米化が問題になっていますが、肉や魚介類の量を減らして、大豆や納豆、豆腐や高野豆腐、がんもどきなどの料理を一品加えたり、あるいは肉などの一部を大豆や豆腐に置き換えた料理にすると、脂肪やエネルギーを抑えた料理にすることも可能です。
現在、問題になっている食の欧米化現象を押し止めるカギを握っているのは大豆製品かもしれません。
■国内産大豆100%のきな粉を上手に使おう!
こんなふうに食べてもおいしいよ!
・きな粉牛乳
きな粉と牛乳を混ぜるだけでおいしく飲めます。
・きな粉入りハンバーグ
ハンバーグのタネにきな粉を混ぜてください。大豆タンパクを丸ごと食べられま
その他、天ぷらの衣に、お好み焼に混ぜてもいいですね。
・きな粉アイスクリーム
ふつうのアイスクリーム作りにきな粉を混ぜるととても香ばしく風味のあるアイスクリームになります。
・きな粉ご飯
ご飯にきな粉をかけ、混ぜて食べる。けっこういけます。
小さいお子さんの場合は、ちょっとお砂糖(粗糖)を加えてあげると喜びます。
*参考図書(現代農業97年1月号「いまダイズがおもしろい」)
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