Organic Q&A
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食欲の出るような、野菜ってありますか?
キーワード野菜
回 答
      食欲を増す野菜を使いこなそう
      寝苦しい夜が続き、睡眠不足になるとスタミナがきれてしまいます。食欲を増すために、香辛料やニラ、セロリ、青ジソ、ショウガ、ニンニク、ミョウガなど香りの高い野菜を意識的にいろいろと組み合わせて献立を考えていきましょう。

      ニラ
      ニラは摘んでも摘んでも新芽が伸びてきます。その生命力の強さから、ニンニクと並んで精力野菜とされてきました。特有のにおいの成分は硫化アリルで、これが体に吸収されると自律神経を刺激し、エネルギーを高めます。ニンニクやニラを食べると体が温まる理由で、胃もたれや、冷え性、夏風邪に有効です。冷房の中で生活する人に欠かすことのできない野菜です。強烈な香りは、塩ゆですると和らぎます。

      セロリ
      セロリはさわやかな香りが特徴です。食欲を出すとともに、神経を鎮め、頭痛にも効果があるとされます。
      この風味を味わうには生のままが一番です。食べる直前まで氷水に浸しておくと、歯ごたえが倍増します。炒めものにする場合は、パリパリとした感触を残すため「強火で手早く」の原則を守ります。そのため、だし汁と調味料を混ぜておくといいでしょう。
      セロリの栄養成分は茎よりも、緑の葉に豊富で、カロチンやビタミンCがたっぷりあります。炒めものや天ぷらにすると美味です。
      *セロリはセリ科。原産地はヨーロッパとされています。古代ローマやキリシャでは高麗人参同様に、強精・整腸作用の薬効を持つ植物とされていました。また、香りや味などから日本のショウブと同じように“魔よけ”にも使われていたフシがあります。古代オリンピック発祥の地・キリシャのある都市では、競技の勝者に月桂(げっけい)冠ならぬ“セロリの冠”をかぶせたという話も残っています。
      栽培野菜になったのは比較的新しく、16世紀に入ってから。


      青じそ
      夏の薬味野菜の代表といえば青じそです。梅干しに使われる紫(赤)じそに比べてビタミンやミネラルが多く、鮮やかな色と香りは、刺身のつまや、やっこ豆腐に欠かせないものです。

      みょうが
      日本を含むアジア東部温帯地方を原産とするショウガ科の多年草。中国では500年ころの書物に栽培の記録があります。「魏志倭人伝」にもその名がみられるように利用の歴史も古い。
      しかし、現在ではほとんど日本のみで食べられる野菜です。
      特有の香りとほのかな辛みが、蒸し暑いころの食欲減退を防いで食を進め、さらには意気を高める効果があるとして重宝されてきた香味野菜です。
      とりわけ夏野菜との相性がよく、きゅうりやとうがん、なすの料理に欠かせないが、水さらしや加熱が過ぎるとせっかくの香りや味を失ってしまいます。

      肉にピッタリ〜にんにく
      にんにくほど肉に合う野菜はありません。味も当然だが栄養価的にもピッタリ。最も特徴的な刺激臭のもとはアリインと呼ばれるものですが、それが酵素の働きでアリシンという臭いを放つ物質に変わります。そのアリシンの量が特別に多いのがにんにくというわけです。
      アリシンは抗菌性に優れていて、「にんにくの汁を傷口に付けると治りが早い」とか「食べ物を腐りにくくする」といわれるのはそのため。
      また、口から摂取されたアリシンは体内でビタミンB1と結合して、ビタミンB1の吸収をよくする物質になります。にんにくをビタミンB1の多い肉類と一緒に食べる効果はここにあります。B1不足は脚気(かっけ)だけでなく、神経・精神状態にも悪影響をもたらします。もう一つのにんにく効果はスコルジニンという成分の働き。新陳代謝を活発にし、疲労回復、心臓の働きを活発にする働き、精子の増殖を促す作用などがあります。また血中のコレステロールを下げる効果も期待できます。体力も精神力もモリモリとわいてこようというもの。
       ただし「体にいいから」と生で食べたり、あまり大量に食べると貧血を起こしたり、“善玉”の腸内菌を死滅させ、おなかの調子をこわすことがあるので、ほどほどに…。

      ピーマン
      ナス科の一年草で、原産地はまだ特定されていませんが、メキシコの紀元前の移籍から出土したことから、このあたりが発祥の地であろうと考えられています。ヨーロッパへは16世紀に香辛料を求めて船出したコロンブスによって伝えられ、日本へは南蛮船によってもたらされたといいます。
      江戸時代にも甘味系のトウガラシが栽培されたことがありますが、一般に食べられるようになったのは明治になってのことで、とりわけ昭和30年代から消費量が急増しています。
      栄養成分としては、ビタミンCが豊富でカロチンも多い緑黄色野菜です。

      かぼちゃ
      「南瓜」と書くかぼちゃの名前の由来はカンボジア。「カンボジアからきた野菜」と呼ばれていたため、この名前になりました。ベータカロチンやビタミンCを豊富に含み、栄養的に優れています。

      小松菜
      小松菜は、東京都江戸川区小松川付近が原産でその名があり、江戸時代から栽培されている青菜です。ビタミンAが豊富で、100gで1日の必要量を摂取することができます。ビタミンA以外にも、カルシウムはホウレンソウの5倍以上、ビタミンCもホウレンソウを上回り、アクが少ないのが特徴です。


      料理の下ごしらえ〜野菜のゆで方〜
      葉菜類をゆでる目的は、繊維を軟らかくして食べやすくすることと、葉緑素(クロロフィル)をよりきれいなグリーン色に発色させること。
      そのポイントの一つは、熱湯をたっぷりと用意することです。葉菜の5倍は必要です。ホウレンソウや小松菜は大体200gですから、1?(5カップ)の湯を沸かします。湯の量が少ないと温度が下がって、美しくゆでることができません。
      塩を加えるのは、野菜の持ち味を損なわないことと、湯の沸点が上昇するためにクロロフィルの色がさえるのです。湯1?に対し塩小さじ2が目安です。塩の量が多いほど緑色が濃くなりますが、多すぎては、野菜に塩味がついてしまいます。
      ゆでる時は、なべにフタをしないこと、やや硬いところで取り出し、すぐに冷水(できれば氷水で急激に冷やすと緑が安定します)に入れます。

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