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05.  「料理酒」ってなあに?

     
   

料理に使う為の酒をいう訳ですが、大きく分けて三種類あります。

    1. 食塩を添加して、飲用にならなくした酒
    2. 安さだけを目的に造られた、飲んで美味しいとはいえない酒
    3. 飲んでも美味しく、エキス分が多く米と米麹だけで造られた良質な酒
     
    1. 塩が入っている料理酒
    酒販免許を持っていない店でも売れるようにと、塩を入れて(不可飲処置)酒税法上の「酒」でなくした酒のことを言います。私流に命名すれば「酒風味塩入り調味料」ということになりましょうか。国税庁、酒造会社、流通の三者が考え出した、なんとも不可解な代物です。
こうしたものが依然としてまかり通っている背景には、日本酒の本当の調味効果を、どちらも理解していないのではないかと思わざるを得ません。しかもこの加塩料理酒がいまだに料理酒シェアの大半をしめているのですから困ったものです
     
   

加塩料理酒には2%前後の塩が添加されています。2%の塩分というのは相当な濃度(海水が3.5%)ですから、甘く仕上げる料理には使いにくいのが欠点です。特に塩分を控えなければならない人が多い昨今は要注意です。その上、塩の量とアルコール度数の関係が決められており、塩分を低くする為にはアルコール度数も下げなければならないのです。これでは折角のアルコールによる調味効果も半減してしまいます。原料の米も充分あり、この9月より酒販免許も自由化されることになった以上、その役目は終わったのではないかと思います。

     
    2. 飲むに耐えられない酒
   

「安さ」だけが取り得の、料理用としては最悪の製品です。アルコール度数、エキス分共に低く、調味効果を上げるためには大量に使わなければならず、結局「安物買いの銭失い」になってしまいます。
さて、この酒はどういうふうに造られているのでしょうか。
まず「三倍増造酒」であるということです。三倍増造酒というのは、出来上がった酒一に対して水や醸造用アルコールなどを二加えて造る酒の事を言います。醸造用アルコールは、主に廃糖蜜(砂糖の搾りカス)を原料にしていますので、米が原料であるはずの日本酒が誠に妙な酒になってしまいます。こうした酒を「アル添酒」と言っており、料理酒は99%、飲用ですら7割がこの経済性が優先されたアル添酒というのが実態です。
こうした製法は、米不足だった頃の悪弊の名残で、国税庁が主導して編み出した手法なのです。いずれにせよ、これほど豊かになった我々の食生活の中で、いまだにこうしたインチキ製品が横行している事実は意外に知られていませんが、消費者を愚弄した食品行政のいい加減さには憤りさえ感じます。

     
   

更に、こうした酒の製法にはもう一つ許し難い手法があります。
酒にも売れ行きが悪くて期限切れになったり、流通業者の都合で返品されることがあります。
その返品された酒を一旦タンク(桶)に戻してブレンドした上、水を加えたりアルコール度数を調整し、時には添加物さえ入れたりして詰め替えるというやり方です。返品された分については酒税が戻りますが、詰め替えた分に新しく課税されますので国には損が出ないわけです。
こうした手法が法的にも認められているというから驚くばかりです。
どうせ料理酒なのだからという安易な気分で行われているのでしょうが、道義的には如何なものでしょう。一般食品でこういうことが行われるとしたら大騒ぎになる筈です。
とかく「物言わぬ消費者」と言われる我々日本人の弱点が見事に突かれているのです。

     
    ところで、こうした酒を見抜く方法は簡単です。日本酒は水、米、米麹の三つで造られる訳ですが、それ以外に「醸造アルコール」「酸味料」「糖類」「調味料(アミノ酸等)」等の表示があるものは「三倍増造酒」に間違いありません。購入される時は、必ず表示をお確かめください。飲むに耐えないこうした酒を料理に使って美味しくなるはずはありません。
     
    3. 飲んでも美味しい料理酒
    昨今の日本酒は「香りと喉越しを楽しむ」ためのお酒になっているようです。
「淡麗辛口」こそが日本酒の本流であるという風潮が蔓延しています。これは食生活の洋風化のもたらした結果だとする見方が一般的です。確かに食味上のバランスからすると何となくうなずける感じはします。残念ながら私は酒を飲めませんのでこの辺は深く考察することは出来ませんが、結果だけを手軽に求めようとする現在の日本人の潜在意識が働いているように思えてしまうのです。すべてに「じっくり噛みしめる」という姿勢を取り戻す時期がきているのではないでしょうか。
     
    では、旧来の日本酒と、今はやりの「淡麗辛口」はどう違うのでしょう。
淡麗辛口は「香り」を重視するために、原料米の品種や麹菌の種類にこだわり、喉越しを良くする為に「雑味」と称するエキス分を極力取り除いてしまうのがその造り方です。
言い換えれば、二千年にも及ぶ日本酒の歴史の中で「かなり中身(エキス分)の少ない酒」と言って良いでしょう。アミノ酸を中心とした100種類にも及ぶ栄養成分を、ただ単に「雑味」と称して悪者扱いしてしまうのは実にもったいない話です。特に料理酒という観点から見れば尚更のことです。コクがあり、飲んで美味しい酒であればこそ、料理も美味しくなるというのが道理と言うものです。料理に使う酒なんか何でも良い、飲み残しの燗冷ましでもかまわないという考え方は明らかに間違いです。たとえ最高級の「大吟醸」であってもエキス分の殆んど無い淡麗辛口酒であれば、調味効果は半減してしまいます。
     
    従って、良い料理酒の条件は
      1. アミノ酸などエキス分が多く、米、米麹だけで造られていること
      2. アルコール度数が高いこと(16度以上あればベスト)
      3. 飲んでも美味しいこと
    の三点に集約されるでしょう。
     
    ところが、ここで困ったことが起こります。酒の表示の問題です。法律で表示が義務付けられているのは原材料とアルコール度数だけなのです。つまりエキス分が多いかどうかが表示だけではわからないのです。料理酒である以上エキス分の多寡はきわめて重要です。早急な法改正が望まれます。今のところはラベルや説明書から判断するしかありません。
更にもう一つ、飲んでも美味しいという点です。さっぱりした喉越しの良い淡麗酒とは対極の、甘口系のまったりした酒ということになります。こういう酒は、色も深みのあるコハク色をしているのが特徴です。これはエキス分(糖分やアミノ酸)が熟成と共に着色してくるためです。(アミノ・カルボニル反応)従って色の濃い酒ほどエキス分が多いということになります。
     
    一口に料理酒といっても、質の違いは天と地ほどあることがお解かりいただけたと思います。
本当の意味での基礎調味料である日本酒ですから、表示・ラベル等をしっかりご覧になって、良質な料理酒を選んで下さい。
   

 

 
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