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13.  日本酒の防腐効果

     
    日本酒の調味効果についてはおおむねご理解いただけたものと思いますが、日本酒の抗菌・抗酸化作用も見逃せない効用です。
抗菌というと、アルコールによるものと思われ勝ちですが、使用量(素材・浸け液に対して2%程) から見ても考えにくいのです。岡山大学の有元佐賀恵博士は「アルコール以外の成分」であると報告されています(2002年) 又、日本酒を永年研究されてきた医学博士の滝沢行雄氏も著書「日本酒いきいき健康法」の中で、「日本酒には、強い菌に対してはそれほどでもないが、すぐれた抗菌作用があり、その作用は純米酒に著しい」と述べておられます。しかし、今のところ固有の物質を特定するところまでは至ってはいないようですが、日本酒にはアミノ酸のグリシン(抗菌・酸化防止効果がある) がかなり含まれているところから想像に難くない話です。(おにぎりに添加物としてグリシンが使われている例が見受けられます)
     
    さて、永年料理酒を水産加工品の製造に使い続けてきた私の経験からも、料理酒の抗菌効果は明らかです。私の会社の主力商品であった「酢の物」は加熱殺菌することはありませんし、添加物は一切使っていませんでしたが、2週間の賞味期限中に腐敗したことは一度もありませんでした。お客さんからクレームを受けたことも勿論ありません。その後引退してからは家庭料理で色々検証しているわけですが、一番はっきり判るのは「炊飯」に料理酒を使った時です。我が家では夕食時にご飯を炊くのですが、食べ残しを翌日に持ち越すことがよくあります。
炊いたご飯は、冬場は問題ありませんが、熱帯夜で翌日も30度を越えるような夏ですと、せいぜい正午が限界で、黄変したり、匂いが出たりしていまいます。つまり食べられなくなってしまいます。ところが料理酒を1%程入れることで、夕食まで全く変化が無く、美味しく食べられるのです。極く普通の米を少しでも美味しく食べられないかという想いで料理酒を入れるようになったのですが、鮮度保持(防腐効果)にも効果が及んだのにはびっくりしました。美味しくなるのは勿論ですが、アルコールの効用でご飯の保水効果も高めるようで、冷飯をそのまま食べても美味しいのです。とにかく不思議な効用が次々に現れ、我が家の食生活は劇的に変わったのです。
     
   

ところで、業務用として使われている例でも画期的な事例がありますのでご紹介しましょう。
無添加食品の開発を永年手がけられている岡野一英氏(有 ネイチャーズ・ファイネスト社長)が、乾燥珍味の代表格である「サキイカ」を全くの無添加で製造することに成功したのです。
ご存知の通り、乾燥珍味と言われている品々は添加物のオンパレードといっても良いほど多種多様な化学薬品が使われています。化学調味料を初めとして、保存料、PH調整剤(酸味料)、保湿剤、甘味料、着色料といった具合です。このジャンルの商品は、常温で最低3ヶ月間全く変質しないというのが取引条件になっていますので、メーカーは3ヶ月はおろか半年でも1年でも絶対変質しない製品を作ることになってしまいます。

     
    食品添加物というのは、一度使い始めると連鎖的に次から次と機能の異なる化学薬品を使い続けなければならないという宿命があるのです。
例えば、カビが生えないように殺菌料や保存料を添加するとしましょう。ところがその薬品は殺菌には大変有効なのですが、製品を「苦く」してしまうということが起こります。これを緩和しようと次の薬品を使う事になるのです。私たちが風邪をひいて医者から風邪薬を処方される時に胃薬を飲むようなものと考えていただければよいでしょう。化学薬品には、味を良くし、カビも生やさず、しっとり感を保ち、変色もさせないというような万能薬はありませんのでこういうことになってしまうのです。更に始末が悪いのは「PL法」(製造者責任法)の存在です。添加物をどの位の量使っているのかという表示の義務がメーカーには課せられていませんので、食中毒事故を恐れる企業は、どうしても添加物の量を増やしてしまうのです。PL法は本来消費者を守る為に制定された法律のはずですが、逆に消費者の健康被害を招きかねないことになっているのです。
   

 

    昨年の3月までの3年間、「蔵の素研究会」という会員制の勉強会を開催しておりました。全国各地のメーカーさんを中心に、流通、メディア、個人を含めて70人程が参加してくださいました。講演会や製造工場の見学会、「蔵の素」を使った製品の品評会等を重ねてきました。その結果、驚くほど多岐に亘る製品が無添加で製造できるようになったのです。惣菜、麺類、和・洋菓子、漬物、着け魚、干物、珍味、練り製品、たれ類等々、製品数にすれば300アイテムには達しているはずです。これも良質な料理酒に含まれている各種アミノ酸の抗菌力によるものに違いありません。
   

 

    1806年にフランスで、アスパラガスの芽から抽出されたアミノ酸が「アスパラギン酸」と名づけられたのを皮切りに、現在500を超えるアミノ酸が発見されているといいます。生命誕生の基本物質ともいわれているだけに研究も進んでいるようですが、アミノ酸の宝庫といわれている醤油、味噌、酢、酒といった発酵調味料と健康との係わり合いについての解明が充分なされていないのではないでしょうか。世界一の長寿国の座を保ち続けていることとの関連性も含めて、学者の皆さんの科学的な検証を強く期待する次第です。サプリメントや飲料に頼らず、料理酒を使うことで日常の食生活を美味しくできるばかりか、保健的にも安心だとしたら、これほど素晴らしいことはありません。
       
 
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