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ぐうたら百姓のすすめ … ぐうたらで生きた土をつくるには  その6
  06.ボカシ肥の作り方と使い方(農業者編)
     
    昔、堆肥を作るときには、わらを踏んで水をかけたものです。そうして長い期間おかないと堆肥はできませんでした。いまどき、そんな手間をかける時間も余裕もありません。しかし、有機農業をつづける以上、有機物を使って化学肥料にまけない品質と収量を得なければなりません。

ところが残念なことに有機物をうまく使っているとはいえないのが現状です。油粕や鶏糞などいろんな材料を使っておられるのですが、悪臭の問題がどうしても気になります。またどうしても多く使うため、作物が窒素過多になりがちで、硝酸態窒素の蓄積、収穫物が腐りやすくなったり、味が落ちる(苦みがでる)といった問題もおきています。

こうした問題を解決するには、簡単に作れること・手軽にあつかえる・悪臭がしない・効果がすぐにでる・量が少なくてすむ、といった特徴のある有機質肥料がどうしても必要になってきます。それがボカシ肥です。作り方を説明しましょう。

材料と注意
 
米ぬか・油粕・魚粉・牛糞・豚糞・鶏糞などなんでも結構です。コーヒー粕やふすまなど、食品加工業から大量にでてくる産業廃棄物でも結構です。つまり、原材料は有機物で、ある程度の窒素分を含むものならなんでもよいのです。手近に入る材料がいいでしょう。金を払わなくても、ただで手に入るものならもっといいのです。材料で注意しなければならないのは、おがくず・木の皮・カンナ屑など木質の材料です。これだけは発酵・分解するのに時間がかかるのでやめた方がよいでしょう。

手に入る材料の中には、水分が多いもの、乾燥してパラパラのもの、粉末状、固形物などいろいろあります。固形物は小さめに砕く必要がありますが、こういった材料を混ぜ合せてボカシ肥を作るわけです。必ず注意しなければならないことがあります。それは混ぜ合せた後の水分含量です。水分含量はできるだけ少ない方がよいのです。混ぜ合せたあと、手で握って水が出てくるものは、必ず腐ってしまうのでいけません。手で握って固まっても指で押すとパラパラと砕けるくらいが限度と思ってください。こんなバラバラに乾燥しているのに発酵するんかいな? と疑問に感じる方がほとんどですが、ここで水を入れると絶対うまくいきません。水分含量で40%がちょうどよいのです。

ちなみに、牛糞だと水分含量80%以上、オカラで85%くらいです。これを目安として、水分の少ない米ぬか・油粕・籾がらなどを混ぜ合せるのです。

   

   
作り方

手に入った材料を目分量で混ぜ合わせます。いい加減で結構ですが、水分含量に注意して、パラパラする程度になるなら、あとは思い切って混ぜましょう。ここに発酵菌を混ぜてやります。発酵菌だけは均一に混ぜなければいけないので、混ぜ方をいっておきます。

(1)発酵菌剤が乾燥粉末の場合には
まず、乾燥粉末の発酵菌剤と、その10倍くらいの乾燥した発酵材料の有機物を混ぜ合せます。一度に有機物と混ぜるとうまく混ざりません。つまり薄めてやるわけです。 
それを大量(10倍くらい)の有機物に加えて混ぜ合せ、仕込むのです。発酵菌が手に入りにくければ、肥沃で作物がよくできる、生きた作土を混ぜてもよいでしょう。これは土こうじともいっています。土着菌を活用する方法です。

(2)発酵菌剤が液体の場合には
液体を水で100倍か200倍ほどに薄めます。これを手押しポンプのついた噴霧器や動力噴霧器に入れて、ボカシ材料に噴霧し、全体に発酵菌を混ぜるのです。
噴霧器を使う理由は、薄めた液にウヨウヨいる微生物をボカシ材料へ均一にかけてやるためです。注意したように、水が多いとうまくいきませんから、こんな程度の散布でいいのかな、と思う程度で結構です。ほんのお湿りでよいのです。

仕込みは?
 
仕込みは雨の当たらないところ、直射日光があってもかまいません。土嚢袋に詰めるかブルーシートに広げるかしてください。土嚢袋に詰めた場合は隙間を少しあけて並べるとよいでしょう。シートに広げるなら、厚みは工夫が必要です。夏なら50センチまで、気温が低ければ厚めに積んでください。発酵温度は熱めの風呂を目安に、アチチと感じる程度が限界です。

切り返しは、気になればしましょう。めんどうくさい方は切り返しをしなくても結構です。ボカシ肥のでき上る目安は、夏場なら10日前後、春秋なら2週間、冬なら1ヶ月です。「発酵の終点がわからない」と、よく質問されますので、目安をいっておきます。発酵は何回もおこります。発酵が終って次の発酵がはじまる前に少し温度が下がります。発酵は、こうして何回も温度が上がったり下がったりするのですが、最初の発酵温度が下がったときで、ボカシ肥の仕込みは完成です。それもわからなくて面倒だという方は、さきほど書いた期間を目安にすれば、それで結構です。むつかしい発酵の条件などはまったくいりません。

発酵を止めるには乾燥させればよいのです。そのままで1年は使えます。土嚢袋の長所は袋が通気性なので、発酵しながら熱で勝手に乾燥するのです。

こうしてでき上がったボカシ肥は、もとの材料のかたちそのままです。ただ固まっていたり、白いカビが生えていたりしているだけです。においは臭くなく、甘酸っぱい良いにおいがします。糠床のにおいに似ています。固まっていて、畑にまくのに使いづらいなら、ボカシ材料を混ぜ合せるときに籾がらを全体の2割ほど混ぜておけば、バサバサになります。

ボカシ肥の使い方と注意すること
 
こうして作ったボカシ肥は即効性で窒素含量も高いため、少量でもすぐに肥効があらわれますから、追肥として使うのが正しい遣い方だと思っています。追肥は土の上に播いたボカシ肥がどこに行ったのかわからない程度の播きかたが、追肥1回の適量だと考えてもよいくらいです。その程度でじゅうぶんなのですが、不安になってついついやりすぎてしまうのです。ボカシ肥はこまめに少しずつまいてゆくのがコツなのです。

即効性だといいましたが、ほんとうに早く肥効があらわれます。たとえば夏場だと、ボカシ肥を施用してから数日以内に肥効が出はじめ、気温・地温によってちがってきますが、夏だと2週間くらい、春・秋だと3週間ほどで6割くらいの窒素を放出します。この窒素分はすみやかに作物が吸収利用できる窒素になります。だから、今まで使っていた完熟堆肥と同じように思って、ボカシ肥を使ったりすると、とんでもない窒素過剰の作物になってしまうので、気をつけなければなりません。次のボカシ施肥をいつにするかは、作物の葉色しだいできめてください。葉色は、新緑の季節、木々の葉が鮮やかな緑になったのを常に思い起こしてください。これが健康な葉の目安です。

ボカシ肥にふくまれている残り4割の窒素は、分解しにくい有機物になっているので、ゆっくりと分解しながら窒素を放出します。したがってボカシ肥の窒素が全部出てしまうまで数ヶ月から半年の期間が必要です。

完熟堆肥とボカシ肥の大きな違いは、土に入れたときの分解に必要な時間が全く違っていること、そのために窒素の放出される速度が違ってくるのです。完熟堆肥は最初から最後まで、ボカシ肥の残りがゆっくり分解しているのと全くおなじだと考えてよいでしょう。元肥に入れるなら、1作に必要な量の半分以下にしてください。できるなら、全層に混ぜるのでなく、畝の上部3分の1くらいに混ぜた方が効果は高くなります。

     
   
  堆肥 ボカシ肥
材料 イネワラ・刈草・オガクズ・バークなどや家畜の敷料 米ぬか・油粕・魚粉・乾燥牛糞・鶏糞など
窒素含量 少ない
C/N比40以上
多い
C/N比7〜12、3
発酵期間 長い
数ヶ月〜半年、ものによっては数年
短い
1週間から1ヶ月(季節による)
発酵温度 高い
時に80℃以上になる
低い
熱い風呂が目安、低温にとどめる工夫
施用効果 長持ち、効きはゆっくり、後効きする主として地力回復 短期間
速効性
追肥型
注意点 畜産のウェイトが大きくなってきたので、窒素分が多くなり、より高温になって、過熟する傾向あり 少量でよく効く。やり過ぎると窒素過多になりやすい
   
    補足 … 草生栽培に利用できる草(2) - 刈敷き用(青刈り)や有機物源(緑肥)として使う植物

日本の気候は、夏が亜熱帯、冬が冷温帯から亜寒帯になる、極端に四季の変化が激しいところなので、一年中おなじ草種でやってゆくことができません。

そこで、秋から春にかけては▲[寒地型牧草]でやりくりし、初夏から初秋までは△[暖地型牧草]、すなわち熱帯や亜熱帯原産の草になります。
寒地型牧草は、主としてヨーロッパ平原原産の元は野草で、冷涼な気候に適した草です。軟らかく、家畜が食べやすいように改良されたので、牧草とよんでいますが、元はタダの野草です。

マメ科 … 窒素固定をしてくれるので、土地が次第に肥沃になってゆきます。
▲[レンゲ・カラスノエンドウ] 
わが国の気象条件にもっとも適したマメ科植物。この有効利用をもっとはかるべきでしょう。
▲[ダイズ] 
青刈り用としても使えます。クズ豆を使えば安くつきます。
▲[ヤブツルアズキ] 
野生のアズキで、市販のアズキの半分ほどの小さな黒い豆ができる。食用に使えるし、ツル性で広がって野草を押し倒してゆく。こぼれ種で越冬するので、一度播くとずっと利用できます。
▲[赤クローバー・クリムソンクローバー・アルサイクロクローバー] 
株立ちなので、種まかれる以外には広がりません。イネ科植物との混播がおすすめ。暑さに弱い。アルサイクロクローバーは赤クローバー・クリムソンクローバーよりずっと酸性土壌に強いし、耐湿性もあるので、水田あとの土壌改良にはおすすめの植物です。
▲[白クローバー・ラジノクローバー] 
土壌の酸度が低くても育つのがミソ。ランナーで広がるため、はびこると始末しにくい。果樹園などに適しています。
▲[ヘアリペッチ] 
カラスノエンドウによく似た草で、巻きひげでからみながら伸びてゆきます。適当に大きくなったところで、ロータリーで浅くすきこむと、発芽阻害剤が含まれているために野草種子の発芽が阻害され、野草抑制に大きな効果を発揮します。暑さにはかなり弱いのですが、酸性土壌には強いほうなので、日本ではおすすめでしょう。
△[クロタラリア] 
熱帯の植物で、日本の夏だと生育しますが、寒さには弱い。レンギョウを大きくしたような黄色い大きな花が咲きます。草丈は2メートルを越し、有機物源として有用で、根はネコブセンチュウを駆除するのにも役立つという、イチオシの有用植物。
△[セスバニア] 
熱帯の植物でクロタラリアとおなじように大きくなります。過湿に強いのが特長で、太い根が2メートルくらい地中にもぐるため、硬い耕盤層を突き破ってくれます。耕盤が硬くて、排水不良になっている土地の排水をよくしたり、土地改良に適しています。

イネ科 … 窒素固定はしないが、生育が旺盛です。マメ科と併用するのがよいでしょう。
▲[イタリアングラス・ペレニアルグラス・レッドトップ・ケンタッキーブルーグラス]
牧草として使いますが、夏の暑さには弱いほう。つまり寒地型の牧草類です。刈敷きにはもってこいの草丈で、扱いやすい。刈り込みを何度もおこなうと、地表近くに根がマット状に張るので、空気が通りにくく、数年間栽培すると、マットの下が還元的になってしまいます。ブラウで反転耕をおこなうとよいでしょう。
イタリアンは耐暑性があるし、酸性土壌むきで、おまけに排水が悪いところでも育ちます。他にオーチャードグラス・チモシーがありますが、いずれも暑さに弱いので、関東以北の冷涼な土地がよいでしょう。ケンタッキーブルーグラスは耐寒性があり、冷涼地向きです。
▲[エンバク・ライムギ・青刈り用のムギ(オオムギ・コムギ)・ヒエ] 
実をつける一歩手前で刈り取ってしまい、刈り敷きとして利用します。ライムギは痩せ地向きで、ネグサレセンチュウの防除にも役立ちます。いずれもクリーニングクロップとして、土壌養分のバランス回復に役立ちます。
△[ギニアグラス・ネピアグラス・スーダングラス・ソルガム・ローズグラスなど] 
熱帯・亜熱帯の原産で生育が旺盛。草丈もさることながら、C4植物であるため、光合成の能力は他の植物よりも強力です。そのぶん生長も旺盛です。これでもって、刈り敷きの材料は大量に確保できるし、生育中には野草対策にもなります。養分吸収力が強いので、クリーニングクロップとして、ハウスに集積した塩類や養分過剰を緩和するのに役立ちます。
ローズグラスは、ナトリウムの吸収力が強いので、家畜糞尿を多用したハウスの塩類除去には、とくにおすすめの植物です。このほかに、ダリスグラス(越冬性あり)、バミューダグラスがあります。バミューダグラスは酸性土壌に強く、塩類・湿地にも強いというすぐれものです。また、バヒアグラスという暖地牧草は葡萄性でしかも攻撃性があるため、他の草を協力に抑えつける強い草なので、野草対策にはぴったりなのですが、作物を傷める可能性もあるので要注意です。
土壌成分のバランスがくずれたような土壌でも、ローズグラスのような吸収力の強い植物は、バランス回復に格好の材料となります。根系はマメ科とちがって、ヒゲ根がびっしりとはびこり、それだけでも土壌中に有機物を補給したことになるのです。なお、ギニアグラスはリンを、スーダングラスはカルシウムをよく吸収するので、鶏糞や石灰をやりすぎた土壌のバランス回復にうってつけです。

     
 
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