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フクシマ原発震災を正当に怖がるために

インデックス・01-1101-1201 [補足1]01 [補足2]0203040506

  01. 福島第1原子力発電所震災の経緯は?
  [補足1] 1Fで何が起きたのか、そして今、何が起きているのかを探っていると腑に落ちないことがあります。ここにそれらを記しておきます
大きな災害・事故・事件の発生時は混沌として情報が錯綜し、後々になってその情報が修正されたり、異なる事実が明らかになることがあります。又、真相が不明なままに闇のなかに消えてしまったりもします。ここに記した内容が後に修正や事実が明らかになった場合にも、原発震災の進行途上の記録として削除はしません。又、備忘と情報保管のために情報元への直接リンクではなく複製・転載にしています。報告が更新の際に新規に書換えられる場合や記事等は数ヶ月で消滅してしまう例があるためです。原発震災の状況把握の目的において、「Fair Use 公正使用」の考えに基づいて作成します
   
  略称 1F (いちエフ) は東京電力福島第1原子力発電所
 
 

 

1F事故の推移には〜釈然としないことが多い
不明確ないくつかの事柄
様々に報道・説明される内容から
保管
声明
 
  ■ 1F事故の推移にはこれまでの政府及び東電の公開情報では釈然としないことが多い
   
    これまでの主な情報発信元
首相官邸 http://www.kantei.go.jp/
内閣府 http://www.cao.go.jp/
内閣府 - 原子力委員会 (1956年設置 初代委員長 正力松太郎) http://www.aec.go.jp/
内閣府 - 原子力安全委員会  http://www.nsc.go.jp/ (2012.09.19廃止)
経産省 http://www.meti.go.jp/
経産省 - 資源エネルギー庁 - 原子力安全・保安院 http://www.nisa.meti.go.jp/ (2012.09.19 閉鎖)
(独)原子力安全基盤機構 http://www.jnes.go.jp/
(独)日本原子力研究開発機構 http://www.jaea.go.jp/
文科省 http://www.mext.go.jp/
環境省 http://www.env.go.jp/
日本原子力学会 - 原子力安全調査専門委員会 http://www.aesj.or.jp/
   
  東電 - 「福島原子力事故調査委員会」及び諮問機関「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」 6月11日 社内に設置
   
  国会 - 「東京電力福島原発事故調査委員会」(委員長 黒川清・元日本学術会議会長) 12月8日発足
   
  6月以降は、内閣官房「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)が第三者機関として調査し、8月23日時点で延べ126人・300時間の聴取を行っていますが非公開です。調査・検証委員会の発表予定は、年内に 中間報告 を、事故収束後の一定期間に最終報告となっています。しかし、フクシマ原発震災は一過性ではなく現在も進行中です
   
  1Fの収束には「核反応を止めること」「炉心を冷やすこと」「放射性物質を閉じ込めること」そして、「廃炉」へと進まなければなりません。核反応は止まっているのですが、その他は不十分或いは解決は随分と先のことになります。1〜3号機は原子炉が損傷し、4号機も含めて建屋損傷も激しく、今でも微量の放射性物質が外部に漏れ大気にも飛散しています。遮水壁や全ての建屋仮設カバーの完成は先のことで、放射性物質を管理し放出を一定以下に抑える条件は当分満たされません
   
  「1F・事故の収束に向けた道筋」の進捗状況 (8月17日) 参考資料1:対策別取り組み状況  (150KB)
   
  一般的な廃炉のプロセスは、運転終了後に
(1) 原子炉・原子炉建屋内燃料プール・敷地内共有プールにある使用済み核燃料搬出 (2) 設備機器洗浄 (3) 放射線量低減まで待機 (4) 原子炉建屋内・外部全てを解体撤去し、最後には更地にします。廃炉にかかる時間は約20年
1Fでは、(1) の1〜3号機原子炉に関して、燃料の大部分が溶融し圧力容器底部に落下するメルトダウンの状態になり、この時点で圧力容器の底が損傷して水が漏れ始めたと推定されています。圧力容器底部の損傷を塞いだ後に水で満たしながら炉内から燃料排出に取りかからなければなりません
又、(1) の前に (0) 2012年春が目標の冷温停止(核燃料温度100℃以下)と敷地・施設内の汚染瓦礫と汚染水及び処理済汚泥の処理があります

2011年10月28日、原子力委員会は、圧力容器・格納容器の損傷から溶融核燃料の取出しが非常に困難な状況であるとして、廃炉完了に30年以上の期間を要するとしました
(0) 1〜3号機の「冷温停止状態」達成、施設内の除染・瓦礫撤去後に、各号機の燃料プールにある使用済み核燃料を共用プールに移動。圧力容器の底部を抜き、格納容器に落下している溶融核燃料を水で満たして放射線を遮蔽し、炉内に撮影装置を挿入するなどして様子を把握し、10年後2021年頃に取出しを開始、回収には5年間と推定。取出しは、格納容器上部に設置した作業台から伸縮式アームを水中に伸ばして燃料を回収する
又、一般的に原子炉1基 約500億円の廃炉費用について、東電に関する経営・財務調査委員会は、1F-4基で1兆1510億円と試算しています
   
  2011年12月7日、原子力委員会、1Fの廃炉完了に30年以上を要すると報告書とりまとめ
廃炉は4段階で実施 (1) 原子炉建屋内の除染 (2) 格納容器の損傷部分の特定・修復 (3) 格納容器内の「冠水(水棺)」 (4) 燃料回収  関連記事  (2,404KB)
   
  参考:日本原子力発電(株) 東海発電所の廃止措置計画概要より
東海発電所の廃止措置は、原子炉、付属設備及び建屋を撤去し、更地状態に戻すことを基本とする
放射能レベルの高い原子炉領域は放射能を減衰させるため、約10年間安全貯蔵状態にしておく
安全貯蔵期間中は、その後の原子炉領域を撤去する本格工事で発生する撤去物の搬出ルート確保、放射性廃棄物保管エリア確保、資機材置場確保及び作業員の平準化のため、安全貯蔵対象範囲外の設備を廃止措置準備工事として撤去する
原子炉領域の解体撤去後、各建屋等は汚染を除去し管理区域を解除して撤去する
廃止措置工事のスケジュール (全工期:約20年 終了予定時期:2021年3月)
・原子炉領域安全貯蔵 …… 2001年度から約13年間(実施中)
・原子炉領域以外撤去 …… 2001年度〜2019年度(実施中)
・交換器等撤去工事等 …… 2006年度〜2014年度(実施中)
・原子炉解体撤去工事 …… 2014年度〜2019年度
・建屋等撤去工事等 ……… 2019年度〜2020年度
東海発電所廃止措置工事のスケジュール表  (245KB)
  ■ 不明確ないくつかの事柄
   
  0. 津波が1Fに到達したのは何時か  (156KB)
    津波が1Fに到達したのは何時か  2012/07/05 国会事故調  (67.5KB)
   
    全交流電源喪失は津波が原因か? 2011/07/10 公開フォーラム 「福島原発震災の真実」 伊藤良徳  (4.25MB)
   
  1. 地震による設備の破損が不明確
    地震発生時には原子炉は自動停止(スクラム)し、それ以上の異常はなかったことになっています。地震発生直後、「冷却材喪失事故」が起きたのではないか。配管が激しく揺れて破損し、その破損箇所から高温高圧の冷却材(水または水蒸気)が猛烈に噴出したのではないかと田中三彦氏は推測(※)しています
※田中三彦 (2011) "想定外"のためなら何でもする 東電 原子力資料情報室通信445号 p1-5  (3,653KB)
※田中三彦 (2011) 「福島第1原発事故はけっして"想定外"ではない」『世界』岩波書店5月号
※田中三彦 (2011) 「原発で何が起きたか」石橋克彦編『原発を終わらせる』岩波新書
     
    1Fそのものではありませんが、
9月26日の読売新聞は「原発対策拠点、震災直後に電源失い半日機能せず」と報じています
原子力安全・保安院や福島県によると、3月11日14:46地震発生後、外部電源が停電し、オフサイトセンター(OFC)1階にある非常用ディーゼル発電機が起動した
しかし、発電機は配電盤が故障し、1時間以内に停止。OFCは全電源を失って使用不能になった
1Fの状況を把握するモニターなどが使えなくなる
このため、保安院職員らは隣接する「福島県原子力災害対策センター」に移動
OFCに政府の現地対策本部が設置された19:00以降も事務室などを間借りして事故対応にあたる
センター内は混雑し、県職員は「本来、急いでやるべきモニタリングの準備などができなかった」
また、OFC内に設置されている国や地元自治体との連絡調整などを行うテレビ会議システムが使えず、1Fと東電本店を結ぶテレビモニターも見ることができなかった
政府の現地対策本部長を務める経済産業副大臣や保安院幹部らが東京から到着した12日00:00になっても発電機は復旧せず、電気業者が修理して同日03:00頃になってようやくOFCが使用できるようになった
発電機は地震で故障したとみられる。事故の初期対応に支障が出ており、政府の事故調査・検証委員会も経緯を調べている
     
    10月13日、経産省原子力安全・保安院は、2006年改定の耐震設計審査指針により、東電が1Fに対して求められた強度解析と補強工事をしていなかったことが判明したと発表しました。新指針を受け、東電は08年3月に圧力容器や格納容器など重要機器については補強不要とした中間報告を提出。それ以外の原子炉の核分裂を調節する制御棒関連や配管など600点以上の重要機器は最終報告に盛り込むとしていましたが、それらの解析はされずに作業も放置されたままだったとのことです
保安院は東北地方太平洋沖地震の揺れが1Fにどう影響したかを評価中で、年内予定の検証作業も遅れる恐れがあるとのことです
     
   
12月15日 東京新聞 福島1号機配管 地震で亀裂の可能性

経産省原子力安全・保安院が、福島第1原発1号機の原子炉系配管に事故時、地震の揺れによって0.3平方センチの亀裂が入った可能性のあることを示す解析結果をまとめていたことが分かった。
東電は地震による重要機器の損傷を否定し、事故原因を「想定外の津波」と主張しているが、保安院の解析は「津波原因説」に疑問を投げかけるものだ。政府の事故調査・検証委員会が年内に発表する中間報告にも影響を与えそうだ。

これまでの東電や保安院の説明によれば、3月11日午後2時46分の地震発生後、1号機では、非常時に原子炉を冷やす「非常用復水器(IC)」が同52分に自動起動。運転員の判断で手動停止するまでの11分間で、原子炉内の圧力と水位が急降下した。この後、津波などで午後3時37分に全交流電源が喪失し、緊急炉心冷却装置(ECCS) が使えなくなったため、炉心溶融が起きたとされる。
一方、経産省所管の独立行政法人・原子力安全基盤機構が今月上旬にまとめた「1号機IC作動時の原子炉挙動解析」は、IC作動時の原子炉内の圧力と水位の実測値は、ICや冷却水が通る再循環系の配管に0.3平方センチの亀裂が入った場合のシミュレーション結果と「有意な差はない」と結論付けた。圧力と水位の急降下は、0.3平方センチの配管亀裂でも説明できるという。0.3平方センチの亀裂からは、1時間当たり7トンもの水が漏えいする。        全文  (18.1KB)

     
  2. 津波警報への対応が不明確
    気象庁は地震発生直後の津波高3mから改め45分後には10m以上としました。この情報は1Fに届いていたのでしょうか。非常用電源は稼働し通信は可能でしたから、巨大津波襲来の情報を知り得たのではないでしょうか
大津波警報後に4号機タービン建屋の点検作業に赴いた2人の東電社員が津波に巻き込まれて亡くなっています。後の8月2日、時事通信他各紙は以下の様に報じています
     
   
4月3日に明らかにされた、地震発生直後より4号機タービン建屋内で行方不明の作業員2人の死亡について
死亡したのは第1原発第1運転管理部の職員。東電によると、2人は地震発生時に4号機の中央制御室で定期点検の作業をしていた。地震発生直後、4号機タービン建屋の冷却水系のタンクで水位低下を示す警報が鳴り、指示書通りに現場責任者の当直長から水漏れがないか点検に行くよう指示された。建屋は停電中で、2人は懐中電灯を持ってタンクの配管がある地下に向かったという
気象庁は地震発生3分後の午後2時49分に福島県などに大津波警報を発令し、第1原発には午後3時27分頃、高さ約4メートルの第1波が到達。その8分後には高さ10メートルを超えたとみられる第2波が到達し、防潮堤を越えて敷地の建物がほぼすべて冠水した
東電はページング(一斉通報できる通信機の一種)で大津波警報を知らせ、「屋外にいる作業員は避難するように」と指示。しかし、建屋内に津波が襲来することは想定せず、建屋内の作業員には避難は呼びかけなかった
東電は3月12日、2人が行方不明になったと発表。その後、4号機のタービン建屋地下を捜索したが、放射線量の高い水がたまっていたため難航し、水が引いた30日に警察が遺体を確認、4月3日に多発性外傷による出血性ショック死と発表した。同日の会見で東電は、2人が地下にいた経緯を「調査中」とし、点検を指示していたことを明らかにしなかった
東電は6月18日公表の「福島第1原発における対応状況について」と題する事故対応の調査結果でも、「当直員の安否確認を行い、地震発生と津波について、ページングで周知を行う」と当時の対応を記しているが、2人への点検指示には一切触れていない
東電広報は当直長の指示があったことを認めた上で、大津波警報の周知について「中央制御室にも周知は徹底していたが、本人に届いたのかどうか確認はできない」としている
     
  3. 1F 1号機
    3月12日 15:36 原子炉建屋で爆発音とともに白煙、水素爆発。建屋上部コンクリート材が爆砕
   
    5月15日 東電、暫定解析結果「福島第1原発1号機の炉心状態について」発表
1号機では地震発生から16時間後(3月12日6:50頃)に大部分の核燃料が原子炉圧力容器底部に落下。津波到達直後から圧力容器内の水位が急激に低下、18:00頃に燃料頂部が水面から露出。19:30頃に核燃料が完全に水面上に出て空焚き状態になって損傷が始まる。21:00頃には炉心の温度が燃料の融点2800℃に。21:50頃には燃料の大部分が溶融し、圧力容器底部に落下するメルトダウンの状態になったとみられる。この時点で圧力容器の底が損傷して水が漏れ始めたと推定。2、3号機でも同様の可能性があると解析を実施する予定
     
    暫定解析結果・福島第1原発1号機の炉心状態について  (235KB)
     
    1号機は水素爆発で最上部の建屋が吹き飛びました。その爆発がどのようにして起きたのか詳しくは不明
4つの原子炉で次々に爆発が起きる前例のない大事故で分岐点となったのは、地震と津波に襲われた翌日の3月12日午後に発生した1号機の水素爆発です。1号機の爆発が避けられたら、2日後、3日後に続く他の爆発も避け得たかもしれないと考えるひとが多くいます。最初の24時間の検証は極めて重要なのです

11月30日 東電、1号機の炉心状況の新たな解析結果 公表
1号機の核燃料はほぼ完全に溶融、圧力容器を突き抜けて格納容器に落下し、容器底のコンクリートを最大2/3まで浸食と推定。コンクリートの浸食は最大65cmに達し、鋼鉄製の外殻まで37cmの可能性
     
  4. 1F 2号機
         
    3月15日 06:10 圧力抑制室付近で異音発生、圧力抑制室の圧力低下、圧力抑制室損傷の疑い
3月15日 08:25 建屋5階付近から白煙確認
3月21日 18:20 原子炉建屋から白煙
3月22日 朝、原子炉建屋から白煙

2号機は地下の圧力抑制室と呼ばれる部分で爆発が起きました
建屋の外の放射線観測では、2号機の爆発と4号機の燃料プールで爆発が発生。15日に放射性物質の飛散が多かった。2号機の地下の爆発が飛散の拡大に大きくかかわっているように推測されます。2号機の爆発は不明確な点が多いのです

10月21日 東電 福島第1原子力発電所における原子炉建屋の爆発に関する分析結果  (163KB)
2号機で確認された衝撃音および4号機の原子炉建屋損傷は、ほぼ同時刻の3月15日6:00 過ぎと思われるが、その正確な発生時刻が特定されていない……2、4号機の爆発が想定される15日6:00〜6:15 の記録を分析したところ、爆発に起因すると想定される振動は、6:12……当該振動は4号機の爆発であると推定……2号機については事象発生の有無を最終確認するべく、確認作業を行っている

         
    2012年4月18日 2号機 原子炉格納容器下部をロボット調査 汚染水漏出状況を確認できず

 

     
  5. 1F 3号機
    3月14日 11:01 原子炉建屋で水素爆発
    読売新聞 「東電は、14日11:00頃、1F-3号機で、2回にわたって爆発音が上がったと発表
   
    5月15日 東電、暫定解析結果「福島第1原発1号機の炉心状態について」発表
1号機では地震発生から16時間後(3月12日6:50頃)に大部分の核燃料が原子炉圧力容器底部に落下。津波到達直後から圧力容器内の水位が急激に低下、18:00頃に燃料頂部が水面から露出。19:30頃に核燃料が完全に水面上に出て空焚き状態になって損傷が始まる。21:00頃には炉心の温度が燃料の融点2800℃に。21:50頃には燃料の大部分が溶融し、圧力容器底部に落下するメルトダウンの状態になったとみられる。この時点で圧力容器の底が損傷して水が漏れ始めたと推定。2、3号機でも同様の可能性があると解析を実施する予定

3月21日 15:55〜18:00 3号機から黒煙
3月22日 朝 3号機から白煙
3月23日 16:20〜23:30 3号機から黒煙 17:00 18:00
日本分析センター (千葉) 空間放射線量率の測定結果 (平成23年3月 測定分)  (148KB)

→ 『福島第一原発―真相と展望』 アーニー・ガンダーセン 集英社新書 59〜69頁 臨界が起きた3号機
     
  6. 1F 4号機
    3月15日 06:00〜6:10頃 大きな衝撃音が発生 原子炉建屋が損傷 建屋の上が変形

4号機は定期点検作業で停止中でした。他とは異なる爆発現象が発生、原因は不明
1300体以上の使用済み核燃料プールの危険性も常にあるのではないでしょうか

[4月29日 東電 4号機原子炉建屋内の使用済み核燃料プールの画像公開]


→ 『福島第一原発―真相と展望』 アーニー・ガンダーセン 集英社新書 70〜78頁 格納されていない炉心を抱えた4号機

     
    2012年2月21日 米原子力規制委員会 (NRC) 1F対応記録・内部文書3000頁を公開
4号機使用済み核燃料プールの水喪失?  (24.2KB)
     
    [2012年3月追記] 4号機の使用済み核燃料プールは偶然の水流入で保持  (628KB)
     
  7. 1F使用済み核燃料共用プール(※)
    1Fには、各原子炉建屋の使用済み核燃料プールとは別に、約6400本もの使用済み核燃料(燃料集合体 注:60本の燃料棒を束ねたもの)を貯蔵した共用プールがありますが、冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっていることが、3月17日に判明したと報じられました
すでに数年以上かけて冷却されているため、ただちに爆発する危険は少ないとみられるが、政府と東電でつくる福島原発事故対策統合本部は、共用プールへの対応も迫られている。共用プールは、4号機の西約50mの建物内にあり、使用済み核燃料(燃料集合体)を6840本収容できる。現在、1〜6号機の原子炉建屋のプールに保管されている燃料集合体の1.4倍にあたる6375本が貯蔵されている。東電によると、10日までは水温が30度に保たれていたが、11日の地震後、水温や水位も測定できなくなった。プールへの給水は自動的に行われているとみられるが、その水から熱をとるための冷却システムは故障しており、十分な冷却はできていないとみられる。爆発事故を起こした3号機、4号機に近いため周囲の放射線量が多く、状況を把握できていないという。(2011/03/18 読売新聞) 18日に原子力安全・保安院が1Fの使用済み燃料共用プールがほぼ満水であることを確認したと発表後、共用プールに関する情報ありません。東電の定型報告書には「共用プール」の項目すらありません。そして突然8月15日に、福島第1 共用プール建屋地下に水=電線管から9t流入 福島第1原発事故で、東京電力は15日、各号機共用の使用済み燃料プールがある建屋の地下に電線管から地下水が流入していることが分かったと発表した。判明したのは13日夕刻で、量は推定約9t。放射能汚染水用タンクに移送した後、流入を止める工事を行う。同原発では事故前まで、各建屋の周囲の地下水をポンプでくみ上げていたが、事故でポンプを動かせなくなったため、周囲の地下水の水位が上がっている。東日本大震災でコンクリート製の電線管にひびが入るなどして地下水が入り込み、プール建屋地下に流入したと考えられるという。(2011/08/15 時事通信)
使用後の核燃料の処理ができないため、1F敷地内に貯蔵されているのです。最終処分場はどこにもありません……(「核エネルギーの平和利用」には潜在的な核武装がその根底にあるためにこのような状況がうまれるのでしょうか。使用済み核燃料からウランやプルトニウムを抽出することで核兵器への転用も可能です)
     
    5月15日 東電発表 5月13日、1F使用済燃料共用プールに貯蔵されている燃料の健全性を確認するため、プール水約1,000mlを採取。採取したプール水について放射性物質の核種分析を行った結果、別紙の通り、放射性物質が検出されたことから、本日までに原子力安全・保安院ならびに福島県へ連絡いたしました
別紙:福島第1原子力発電所使用済燃料共用プール水の分析結果  (8KB)

※ 東電 電気・電力辞典より 
原子力発電所の原子炉の横には水を入れた大きなプールがあります。これが「使用済燃料プール」です。原子炉で燃やしたウラン燃料は集合体のまま、原子炉からプールへ移されて、ここで貯蔵・管理されています
プールは各号機にひとつずつありますが、新しい貯蔵の方法として「使用済燃料共用プール」があります。発電所の中につくられた大型のプールです。ここで、より多くの使用済燃料を貯蔵・管理できるようになりました
使用済燃料:原子炉の中でウラン燃料は燃え尽きて、灰になってしまうわけではありません。一定期間燃やすと原子炉から取り出します。これを使用済燃料といいます。使用済燃料の中には、燃え残りのウランのほか、原子炉の中で新しく生まれたプルトニウムが含まれています。再処理をすれば、繰り返し燃料として使うことができます
     
  8. 放射性物質の放出量
    2011年10月27日 ノルウェイの研究チーム推計 セシウム137の放出量:35000テラベクレル(テラは1兆、1012 (2.70MB)
     
  9. 被害の全貌
    「この大災害の被害者数の評価を最大限に減らすために、後日専門家たちの国際的企みが行われるであろう」 『チェルノブイリの惨事』 ベラ・ベルベオーク、ロジェ・ベルベオーク 1994 p.41
  ■ 様々に報道・説明される内容から
     
  0.  
    ・第一報は何時?
    3月11日 15:42 原災法10条に基づく通報特定事象(全交流電源喪失)が発生したと判断、官公庁に通報  (8KB)
     
    ・PBS:プラント事故挙動データシステムは何故活用されなかったのか
    烏賀陽弘道氏によるインタビュー 「政府の失敗や隠蔽を示唆する重要な内容」
2012.05 松野元氏へのインタビュー  (312KB)
2012.08 福山哲郎官房副長官へのインタビュー  (299KB)
2012.10 永嶋國雄氏へのインタビュー  (308KB)
     
    ・放射性物質の拡散予測のため緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム 「SPEEDI」は何故活用されなかったのか
    文科省は原発事故「10条通報」が発せられたことを知らなかった?
最初に東電側から10条通報を受けた経産省は文科省へは連絡しておらず、連絡義務があった東電が発信したと主張するFAXは文科省に不達。経産省、文科省、東電は事実関係について認めている
     
    各紙のSPEEDI初期報道を検証する GoHoo
    マスメディアは原発事故直後からSPEEDI の取材を開始し、 遅くとも3月15日にはSPEEDI 稼働の事実を掴んでいた。しかし、SPEEDI 稼働の事実が報道されたときは 既に放出ピーク時から1週間経っていた
     
  1. 1F 1号機
   
東電は3号機の放射能漏れや水素爆発の予兆となるデータを爆発の前日につかんでいながら、国に法令に基づく通報をしていなかったが、1号機についても水素爆発(3月12日15:36)の前日に予兆をつかんでいたのに報告していなかった。経済産業省原子力安全・保安院の公表資料で分かった。
資料によると、3月11日21:51、1号機の原子炉建屋で入域禁止になる毎時290mSv相当の放射線量が検出されていた。放射能漏れと水素漏れを疑う内容だ。東電のその後の解析でも、この時点で圧力容器内の燃料が空だきになり、大量の水素ガスが発生、外側の格納容器に放射性物質とともに漏れたことがわかっている。
だが、東電が1号機の放射能漏れの可能性について保安院に初めて通報したのは、12日午前0時前。直前の11日23:00の調査として「1号機タービン建屋内で放射線量が上昇している。原因は調査中」との内容だった。さらに、東電が「放射線量が上昇し、圧力容器の圧力も低下傾向にあり放射性物質の漏れが発生している」と判断、初めて放射能漏れについて言及したのはその約5時間後の12日05:14だった。 (2011/06/26 朝日新聞)
     
  2. 1F 2号機
   
東日本大震災直後に、2号機の格納容器が損傷、直径約7.6cm相当の穴が開いた可能性のあることが、日本原子力研究開発機構の模擬実験で分かった。格納容器の損傷度を示す具体的な数値が推定されたのは初めて。北九州市で開かれている日本原子力学会で21日に発表された。
交流電源が喪失した後に、蒸気で注水を継続する非常用冷却装置「原子炉隔離時冷却系」(RCIC)の動作状況、圧力の推移など東電が発表したデータを活用。RCICへの水の供給源は、震災14時間後に、枯渇した復水貯蔵タンクから格納容器の底部の「圧力抑制室」に切り替わった。この場合、熱が外部に逃げないため、圧力は、震災後2日程度で設計圧力(約5気圧)の2倍まで急上昇する。しかし、実際は、圧力の上昇は緩やかで、7気圧に達するまで3日以上経過していた。 (2011/09/22 読売新聞)
     
    2011年10月2日、東電・事故調査委員会が 2号機爆発事故は水素爆発ではなかったとする見解をまとめていることが明らかになりました。発電所内の地震計記録には、2号機で衝撃音がした06:00〜06:10に爆発によるとみられる揺れが観測されておらず、揺れは06:12に観測、解析したところ、4号機で発生したものとみられるとのことです
これまでは、水素が発生し圧力抑制室に溜まって爆発したことは否定できないと説明し、6月に政府が国際原子力機関(IAEA) に提出した報告書にも水素爆発と思われると記載されていました。今回の見解では、圧力抑制室の圧力低下の原因が爆発以外の何かは不明、又、衝撃音の理由についても不明です
圧力抑制室に相当大きな破損がないと圧力はゼロにならない、爆発がおきても地震計で観測されないような揺れだった可能性もある、現状では圧力抑制室を実際に確認できないが、さらに詳しく調査や検証を重ねて中間報告として公表するとのことです
     
    2011年11月2日2:48 原子炉格納容器に中性子を吸収・核分裂を抑制するホウ酸水の注水を開始しました。1日、2号機の格納容器内から採取した気体に、核分裂生成物で半減期の短いキセノン133 (半減期 5.247日) とキセノン135 (半減期 9.14時間) が微量検出されたことへの対処です。2号機では、溶融核燃料が圧力容器・格納容器の底部に漏れて溜まっていると推定され、大きな塊になっていれば核分裂の可能性があります
この件について、東電は11月3日に、1F-2号機から検出された放射性キセノンは、核分裂連鎖反応によるものではなく、ウラン・プルトニウムが中性子を吸収生成された放射性物質キュリウム242・244の「自発核分裂」により発生したと結論しました。通常時の自発核分裂によるキセノンは燃料棒被覆管内に閉じ込められているが、被覆管も溶融しているため検出されたとしています
     
  3. 1F 3号機
   
4月26日 3号機の爆発は使用済み燃料プールでの臨界状態からの可能性
アーニー・ガンダーセン氏(39年間原子力産業に従事、スリーマイル島原発事故調査団メンバー、現在はアメリカエネルギー開発アドバイザー)
     
   
     
   
Gundersen Postulates Unit 3 Explosion May Have Been Prompt Criticality in Fuel Pool
3月14日の3号機の爆発は使用済み核燃料プールの核燃料によるものである可能性が高いと説明している
3号機に何が起こったのか、1号機などと違うあのような劇的な爆発が起こったのか
3号機についてこれまでに分かっている確実な事と破壊の原因と考えられるいくつかをお話します
工学専門用語で、detonation (デトネーション・爆轟) とdeflagration (デフラグレーション・爆燃) があります。どちらも「爆発」のことですが、detonationは衝撃波が音速を超えるものであり、deflagrationは衝撃波が音速を超えません。専門的差異に見えますが、まさにこの違いが3号機と1号機の爆発の違いを生んだのです
1号機からの噴煙が建屋から離れていく動きは、3号機のものに比べてとてもゆっくりです
3号機で起きた事実から、なぜこのようなことが起きたかという理由を推測したいと思います
3号機の爆発は、1号機に比べてはるかに大きなものです
そして、爆発のエネルギーの方向 (ベクトル) は1号機と違い、すごい勢いで真上に伸びています
3号機の上向きのベクトルは、1号機のベクトルにはないものです。これが重要な手がかりになります
次に、3号機では明らかに爆発がありました。建屋の南側 (右側) を見ると、黒煙が立ち昇る前に明るい黄色の閃光が確認できるからです。これも重要な手がかりです
その他に、原発施設から2マイル (約3.2km) も離れたところから多数の燃料棒の破片が見つかっています。
4号機に目を向けるなら、4号機の使用済み燃料プールは水がなく、燃料棒は露出していますが、燃料集合体は損傷を受けていない。ということは、数km吹き飛ばされた燃料棒の破片は4号機の使用済み燃料プールからではなく、3号機からと見た方がいいでしょう

ハワイと米国西海岸でウランの微粒子が、原発敷地内ではプルトニウムが検出されました。北東部ニューイングランドではアメリシウムが検出されています。これらの物質は超ウラン元素と呼ばれ、ウランよりも重いのが特徴です。そして、その核種の検出は、福島原発で核燃料が損傷して揮発した可能性があるということです

爆発後の3号機の画像を見ると、建屋の大部分、特に南側がなくなっています。しかし、赤外線写真を見ると爆発後も南側に熱源が確認できます。このデータから、3号機の格納容器、原子炉は損傷していないことは確かです。不思議です。原子炉に損傷はないのに、建屋は吹き飛んでいる。なぜでしょう。縦15×横15×深15mの使用済み燃料プールの水は空の状態だったと私は思っています。そこにガスが充満し、上方に吹き飛び爆発した。プール上部には蓋がなく、側面には壁があるため、その構造が上方への爆風を起こした。説明を付け加えるならば、燃料プールは上に向けられた銃口のようなもので、上に向けて発射された訳です

映像を見ると、爆発後に多量の破片が落ちてくるのが見えます。それらは、燃料棒を含む燃料集合体で、ウランやプルトニウムの破片でしょう。原発施設から数km離れたところからウランやプルトニウムが検出されているのが納得できます
その他としては、噴煙の黒さでしょう。その黒さは、ウランやプルトニウムが揮発したことを意味します。それらはエアロゾルと呼ばれる非常に細かな微粒子となり、太平洋を越えて、ハワイ・西海岸・ニューイングランドにまでも到達したのです

では、何が上昇のエネルギーをもたらしたのでしょうか
ただの水素反応だったと仮定すると、水素が酸素と結合して水を作る化学反応 (水素爆発) です。その化学反応が起きた時はdeflagrationで衝撃波は音速を超えません。これは1号機で起きたことです。1号機は爆発的ではありません
何が3号機の爆発を引き起こしたのでしょうか
明らかに3号機は爆発です。噴煙がかなりの高さまで立ち昇っていること。赤い閃光が建屋の側面で光ったこと。deflagrationは閃光は伴いませんが、detonationは閃光を伴います

何がdetonationを引き起こしたのでしょうか
水素と酸素の化学反応 (水素爆発) だけではdetonationは起こりません。それ以外の何かがなくてはならないのです。なぜかというのはまだ明らかにされていませんが、適切であろう理由は、
(1) 水素と酸素の化学反応が始まり (水素爆発が起こり)
(2) それによって燃料棒が激しく動いて歪むような衝撃波が生じた
(3) 使用済み燃料プールでの燃料棒が動いて変形し、即発臨界による核反応を引き起こした
(4) その核反応が、プールから燃料棒・核燃料集合体などを吹き飛ばし、噴煙を噴き上げる爆発のエネルギーと、3号機での凄まじい光景を作り出した

この仮説を確かめるには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることです。現在、米軍機がサンプルを採集していますから、研究所で分析中でしょう。キセノン(Xe)には2種類の同位体がありますが、それらの比率を調べることによって、使用済み燃料プールで即発臨界が生じたかどうかが分かります。つまり証拠はあるのですが、まだ私たちに公開されていない。おそらく、米国政府は証拠を持っていると思います

     
    アーニー・ガンダーセン氏の解説内容に関して、京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏が以下の要旨で語っています
   
5月4日MBSラジオ 小出裕章氏「3号機使用済み燃料プール内で核爆発が起きた件について」から
核暴走という事が、使用済み燃料プールの中の燃料で起こるというふうには全く思っていなかった。
包括的核実験禁止条約(CTBT)の検証制度である国際監視制度の監視施設として、群馬県高崎市に設置されている観測所が、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)本部へ報告する目的で収集している放射性物質の観測データがあり、3月15日から16日にかけての大気中の放射性核種の分析ももちろん行っていた。
その日は東京にも濃密な放射性物質が飛散していたのだが、高崎観察所の測定では、ヨウ素135という放射性核種が大量にあったという報告がなされている (3/15 15:55 〜 3/16 15:55 ヨウ素I-135:370000mBq/³。ヨウ素135という放射性核種の半減期は6.57時間。福島原発が3月11日で停止したのであれば、その時に原子炉の中にあったヨウ素135は15日の段階ではもう4日経っている訳ですから、何千分の1になっており、ほとんどないと言って良い。高崎での測定値が正しいとすれば、15日あるいは14日に生みだされたと考える以外にない。そうすると、14日に3号機で爆発が起きた時に出来た可能性というのは考慮すべきかもしれないと思う。
水素爆発だけならこのような大量放出はありえない。水素爆発に誘発されて、使用済み燃料プール中の使用済み燃料がある一定の場所に吹き飛ばされてと言うか、集まって、そこで再びウランの核分裂反応が異常に進んだという状況を仮想できます。それがひとつの説明になるかもしれない、そういう事も考えなければいけないのかな、と思うように今私はなっている。
ただ、こういう放射性物質の測定というものは、東電も何度も何度も間違えた情報を出して来た訳ですから、高崎観測所が間違った情報を出した、という可能性もあると思う。開示された情報には常に注意をしながら考えなければいけませんが、もしその観測データが正しければ、3号機の爆発というのは、ひょっとすると核暴走ということが起きたのかもしれない、という予測が成り立つのです。
日本国際問題研究所/軍縮・不拡散促進センターのWebページ「新着情報」から
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況 (3/19)  (245KB)
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況 (3/27)  (321KB)
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況 (3/29)  (332KB)
     
    追記:(財)日本国際問題研究所/軍縮・不拡散促進センターは、高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所が3月15日から16日にかけて採取したサンプルからヨウ素135を検出したことを当初ウェブページで公開したが、5月9日にデータの修正のお知らせを公開した
CTBT国際データ・センターによるデータの修正のお知らせ  (98KB)
CTBT高崎観測所の放射性粒子(セシウム)データのブランク試験による補正 (8月18日)  (378KB)
     
   
6月6日 東京新聞及び8月12日 日本経済新聞電子版の報道から
3号機の爆発は、1号機の白煙が横方向に噴き出すような形の爆発に比べて格段に規模が大きく、灰褐色のきのこ雲のような煙が上空約300mまで立ち上り、海外の一部では「核爆発」説も流れた。
エネルギー総合工学研究所(東京都港区)は、経産省から委託を受けて開発したシミュレーションソフトを使い、水素がどのように爆発したかを解析。その結果から、3号機で起きた水素爆発は衝撃波が音速を超える「爆轟(ばくごう)」と呼ばれる爆発現象だったとした。

3号機の炉心周囲の水が熱せられ水蒸気となり、その水蒸気が核燃料を密封する被覆管のジルコニウム合金と化学反応を起こし大量の水素が発生した。
発生する水素量は温度と反応時間、反応表面積で決まるが、3号機は燃料集合体の数が多いために表面積が大きく、反応時間も長かったことから、水素発生量が多かったと考えられる。東電や原子力安全・保安院は3号機での水素の発生を数百kgと見積もっていたが、最終的に540kgの水素が発生したと解析された。
水素は酸素と反応すると爆発し、空気中の水素濃度が18%を超えると爆轟現象が起きやすくなるという(新エネルギー・産業技術総合開発機構の資料によると、水素の爆轟は空気中濃度が15.5〜64.1%で発生するとされる)。3号機の原子炉建屋最上階での水素濃度は約30%となり、注水停止から約32時間後の14日11:01に火炎の伝播速度が音速を超える「爆轟(ばくごう)」現象が生じた。爆轟には衝撃波の背後に火炎を伴う構造をしている。燃焼時間はわずか0.02秒。水素の燃焼に伴い発生する圧力を求めたところ、建屋内の圧力は瞬間的に約60気圧に達した。そして、建屋上部が吹き飛んだ。

これと比較して、1号機は「爆燃」と呼ばれる爆発現象であった。3月12日に爆発した1号機原子炉建屋では、上部のオペレーションフロアで水素濃度が約15%に達していたという解析が得られている。3号機の2分の1の値。このため、「爆轟」ではなく「爆燃」が生じたと見られ、火炎の伝播速度は音速を超えない。
1号機は冷却停止から爆発までの時間が約24時間で、炉内の燃料棒も3号機より少なかった。
水素発生量は270kg、建屋最上階での濃度は15%、水素の燃焼は数秒間続き、建屋の壁が壊れて煙が噴き出した。オペレーションフロアの壁と屋根は鉄骨にパネルを張った簡素な構造だったため、容易に破壊された。これは、3号機のような「破裂」ではなく、「壁を中から徐々に強く押していったイメージ」という。

     
  4. 1F 4号機
   
8月27日 共同通信他各紙から 4号機の爆発原因解明へ一歩 3号機から水素ガス流入の痕跡
福島第1原発4号機で3月15日に起きた水素爆発に関して、4号機が定期検査中で原子炉には核燃料がなかったことから、当初は使用済み核燃料プールの核燃料が過熱・溶融し、水素爆発したとみられていた。その後、燃料貯蔵プールの核燃料に大きな損傷が確認できなかったことから、4号機で水素が発生したとは考えにくく、東電は5月、隣接する3号機で発生した蒸気を逃がすベント(排気)をした際に、配管を通じて水素が4号機に流入したという推定を発表していた

東電は27日に、隣接する3号機の蒸気を逃がす「ベント」の際に4号機側に水素が流入したことを裏付ける痕跡を見つけたと発表した。
3号機と4号機の原子炉建屋は非常用ガス処理系という配管でつながり、3号機と4号機の排気管は共通の排気筒に入る手前で合流している。この合流地点から4号機の原子炉建屋までの配管にある「放射能除去フィルター」の放射線量を8月25日に測定。3号機の配管との合流地点に最も近い部分は6.7mSv/hと高かったが、4号機建屋に近づくにつれて0.5mSv/h、0.1mSv/hと低くなっていた。3号機から水素が流れ込んだ可能性が高まったという。
ただ、原子炉建屋が水素爆発した1号機では同じ構造の配管の排気の合流部分で5Sv/h以上と極めて高い線量が計測されている。4号機の測定値が低い理由については、今後検討する。

     
   
9月13日 毎日新聞 福島第1原発:4号機爆発、水の放射線分解も一因か
福島第1原発4号機で起きた原子炉建屋の爆発について、沸騰した使用済み核燃料プール内で、水の放射線分解が進んで、水素が大量発生したことが一因との分析を、東京大や日本原子力研究開発機構のチームがまとめた。放射線は、水を水素などに分解する。19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。

4号機のプールには、事故を起こした1〜4号機の中で最も多い1535本の燃料棒が入っていた。東日本大震災発生当時、定期検査で運転停止していたが、津波で電源を喪失。冷却機能が失われ、地震発生から4日後の3月15日に爆発した。
水素爆発を起こした1、3号機では原子炉内にあった燃料棒が損傷し水素が発生したとされるが、4号機の燃料棒に目立った損傷はなかった。東電は排気筒を共有する3号機から水素が流入して、4号機の水素爆発にいたったと推定している。
しかし、チームは3号機と4号機の爆発に約20時間の差があることに注目し、他の要因があると推測。フラスコ内の水を室温、97度、沸騰状態の3段階にして、放射線を照射。発生した水素の濃度を調べたところ、97度で室温の1.5倍、沸騰状態で100倍となることが分かった。
1F4号機の原子炉建屋4月10日撮影=東電提供水素は空気中の濃度が4%を超えると爆発の危険性が出てくる。建物上部にたまった水蒸気は壁で冷やされて水に戻るが、水素は気体のままで空気中に占める割合が高まったとみられる。
チームの勝村庸介・東大教授 (放射線化学) は「3号機からの流入に加え、放射線分解が重なったのではないか。今後、実際の原子炉建屋やプールの規模で起こるのかを検証したい」と話す。
東電は「理屈上はありうるが、爆発させるほど水素が大量発生するかどうかは不明」としている。

     
    東電は11月10日、4号機の原子炉建屋(5階建) の3〜5階を調査した結果を発表
1. 燃料プールのある5階より4階の壊れ方が激しい
2. 4階の空調用ダクト付近が最も激しく損傷し残骸になっている
3. 4階床面が押し下げられ、5階床面は盛り上がっている箇所がある
4. 5階のダクト吸込口の金網が本来の空気の流れとは逆方向に曲がっている
以上から、3号機のベントを行った際に配管を通じて流れ込んだ水素が4階にある空調用ダクトに溜まって濃度が高まり爆発が起き、上下の床面に強い力がかかったとみられるとしました
4号機使用済み燃料プールの燃料破損については、プールにカメラを入れて点検した結果、核燃料に損傷はみられない。3号機と通じる非常用ガス処理系の配管から水素が逆流したことを示唆する痕跡も見つかっていたとしています
 
  ■保管 3.11東日本大震災発生時 テレビは何を伝えたか  (56KB)
  ■保管 メディアのSPEEDI 初期報道を検証する  (265KB)
  ■保管 日本マス・コミュニケーション学会 2012.03.03 『 震災・原発報道検証』  (265KB)
  ■保管 2012.03.11 共同通信編集委員 井田徹治 3・11に思う  (141KB)
  ■保管 新聞は何を伝えたか 「プロメテウスの罠とは何か…異端の集団が紡ぐ新聞の実験」  (844KB)
   
  ■保管 福島中央テレビ 「原発水素爆発 わたしたちはどう伝えたのか」 (2011年9月11日放送)
    2012年4月 「"世界初「原発爆発の瞬間映像はどう伝えられたか」..." この動画は削除されました」
   
  ■保管 ドイツZDFドキュメンタリー 「フクシマの嘘」 (2012年3月7日放送)
 
   
  ■保管 検証・大震災:トモダチ作戦  (8.6MB)
  ■保管 一橋文哉 米軍機密文書入手! 福島原発の「危険な話」  (30.8KB)
  ■保管 海江田万里・元経済産業相の「海江田ノート」は 『海江田ノート……闘争176日の記録』 講談社
■保管 福山哲郎・元官房副長官の「福山ノート」は 『原発危機 官邸からの証言』 福山哲郎 ちくま新書
■保管 菅直人・元首相の「菅ノート」は 『東電福島原発事故 総理大臣として』 菅直人 幻冬舎新書
   
  ■保管 米国原子力発電運転協会 (INPO) 特別報告書 『1F事故から得た教訓 (2012.08)』  (362KB)
 
  ■声明
  2011.03.15 日本科学者会議緊急アピール  (190KB)
  2011.03.17 日本反核法律家協会見解 ( & 05.26 見解)  (24.9KB)
  2011.03.18 日本学術会議幹事会 「東北・関東大震災とその後の原子力発電所事故について」  (93.2KB)
  2011.03.18 日本原子力学会 「国民の皆様へ 東北地方太平洋沖地震における原子力災害について」  (117KB)
  2011.03.30 原子力推進科学者による 「福島原発事故についての緊急建言」  (12.9KB)
  2011.04.18 原発事故と今後を憂うるサイエンティスト有志による 提言書  (13.1KB)
  2011.04.26 ノーベル平和賞受賞者有志 「原子力より再生可能エネルギーを選んでください」  (14.7KB)
 
 
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