インデックス・01-11|01-12|01 [補足1]|01 [補足2]|02|03|04|05|06
放射性セシウムが土から作物へ吸収される量を示す数値を「移行係数」といい、作物ごとに算出されています。例えば、土から白米への移行係数(白米1kg当りの放射能濃度/土壌1kg当りの放射能濃度の比)は0.00021〜0.012です。数値に幅があるのは、土の性質や畑に施す肥料によって作物が吸収するセシウムの量が変わるからです 政府では、「土から玄米への移行の指標0.1」としています。この値はかなり安全側に配慮した指標であると考えられます
放射性物質のコメへの影響について、日本土壌肥料学会会長(南條正巳 東北大農学部教授 土壌立地学専門 2010年4月から日本土壌肥料学会会長)に聞く、の報道内容 農水省は今春4月に、それまで行った水田の土壌調査で放射性セシウム濃度が土壌1kg当り5000Bqを超える可能性が高い地域と福島第1原発から30km圏内のコメの作付け制限をしました。この作付け制限基準作りに協力したのが日本土壌肥料学会で、南條正巳会長は「コメへの影響が現実にどう出るのかはよく分からない。収穫時検査の徹底が必要だ」と指摘しています <移行係数0.1> 移行係数は、土の中に含まれる放射性物質が作物にどれだけ吸収されるのかを示す数値。農水省は玄米への移行係数を0.1に設定。食品衛生法の玄米の暫定規制値が500Bqであることから、土壌ベースでは5000Bqとして作付けを制限しました Q: 移行係数0.1はどうやって算出したのか A: 実際の水田での観測から得られた白米への放射性セシウムの移行係数は、0.00021から0.012。最も移行度の高い0.012として、土の中の放射性セシウムの1.2%が白米に移行する Q: 作付け制限基準は玄米ベースで、移行係数の観測データは白米だ。双方の放射線量の違いは A: 玄米は白米の約1.4倍から2倍、放射線量が高くなるとされる。玄米を基準とした国の作付け制限基準は、安全性に配慮した結果、4倍から6倍程度厳しく設定した計算になる Q: コメへの影響で懸念される点は A: 移行係数は平常時の研究から算出されたデータであって、今回の原発事故による高濃度の汚染土壌にそのまま適用できるかどうか、はっきりしないことがある。稲わら汚染が広範囲に及び、さらに汚染牛も多数出ていることも考え合わせるとコメへの影響がどう出るのか分からない部分があるというのが正直なところだ Q: ホットスポットと呼ばれる汚染度の高い地域が見つかっている A: 土壌汚染の情報が少ないまま、田植えの時期を迎えたこともあり、作付けした地域にも汚染度の高い水田があった可能性は否定できない。作付け制限に関して国が安全に配慮した基準を設定したのは確かだが、詳細な土壌汚染地図はできていない。国が主導して早急に作るべきだ。肉牛のケースを見れば、コメについても出荷段階でのチェックをどうするのかなどの対策に万全を期すべきだと思う
放射性物質のコメへの影響について、農水省は8月1日、収穫時の検査方法を関係自治体に指示する方針を示しました
作物に吸収された放射性セシウムが分布する割合は部位によって異なります。作物のどの部位を食用にするかによって、体内に取り込む放射性セシウムの量も違ってきます。作物に吸収された放射性セシウムが、作物の部分ごとにどのくらいあるかということは、放射性セシウムを実際に体の中に取り込む量を考える際に大切な情報です。お米では、イネが吸収する放射性セシウム全量の12〜20%が玄米に移動します。また、ぬかで白米より高い濃度にあることが知られており、このため放射性セシウムの濃度は白米のほうが玄米に比べ30〜50%程度低くなります
堆肥化、鋤込み、焼却等の処理は、再び放射性セシウムが農耕地に還元される可能性があります。例えば、イネの場合、白米とそれ以外の放射性セシウムの存在比率は7 : 93との報告があります。このため、白米にセシウムが少ない場合でも、それ以外の稲わらなどの処理方法は検討が必要です
放射性セシウムを含む稲わらが家畜に給与された場合、肉や牛乳に放射性セシウムが一定程度移行します そのため、農林水産省では、過去に通常よりも高いレベルの放射線量が検出されている地域において、放射性物質の暫定規制値を超えない牛乳や牛肉を生産するため、粗飼料中の放射性物質の目安を定めています。粗飼料の基準値は米(穀類)よりも厳しく設定されています
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